今夜だけのはずが極上の彼に愛されて


「……たのに」

「え?」

「誠の事好きになっちゃったのに!」

私の事はもう好きじゃないの!?

私はギロっと睨む。

「え…?」

誠は驚いた顔をして私の手を離した。

「私…歓迎会があるから」

そう言っていてもたってもいられずその場から逃げるように立ち去った。

こんな形で気持ちをぶつけたくなかった。

それに…
誠はもう私の事なんて…

あの顔は困ったようなそんな顔だった。

全て嘘だったの?
私をパタンナーにさせる為だけの嘘だったの?

もうほんと泣きそう。

ズンズンと足を動かしてそんな気持ちを振り払うように歓迎会のお店までひたすら前を向いて歩いた。

明日は休みだし私にとってはやけ酒だ!
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