今夜だけのはずが極上の彼に愛されて
そしてお店についていよいよ乾杯する。

みんな明るくて、笑顔で歓迎してくれてこれは素直に嬉しいし、予定があって助かった。

みんながワイワイとお酒を飲みながらおしゃべりをするのを聞いてるだけで不思議と楽しくなり、自然とお酒を飲むペースも早くなる。

「紅羽さん」

「桑田さん」

「桑(くわ)でいいっすよ。大丈夫すか? 結構飲んでるみたいすけど」

桑田さんは黒の髪のパーマヘアをジェルでセットしていて、大人の落ち着いた雰囲気がある感じの見た目をしている。

そしてヒゲ。

「え? ああ。うん。大丈夫ですよ、このくらい」

でも実を言うと結構酔ってる。

「そすか。あんまり無理しないでくださいね。いや、こないだのパターン完璧でしたよ。ありがとうございました」

「ふふ。良かったです。なかなか難しいデザインでしたもんね」

「そうなんすよ。マットさんらしいっていうか」

「はは。わかります。これからもよろしくお願いしますね」

「こちらこそ。皆んな紅羽さんが来るの楽しみに待ってたんすよ」

それは嬉しいな。
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