今夜だけのはずが極上の彼に愛されて

「ありがとうございます。桑…さんはおいくつなんですか?」

「あ、俺すか? 32っす」

ガッツリ歳上じゃん。
確かに落ち着いた雰囲気だもんな。

「それじゃ先輩ですね」

「いやいや。立場は紅羽さんが上すから」

そんな話をしながらもお酒を飲んでいればどんどん酔いが回ってきてしまった。

「紅羽さん? 大丈夫すか? 送りましょうか?」

「んー」

眠い。
昨日あんまり寝れなかったからな…

「俺が送る」

この声は…

ボヤけた視界で顔を上げれば見慣れた銀髪。

「誠…?」

「桑、こんなになるまで飲ませるなよ」

「マットさん。いや俺も何回も大丈夫かって聞いたんすよ?」

なんか二人で話してる。

「これでここ払っといて」

「いいんすか!? ありがとうございます! みんな! マットさん出してくれたぞ!」

桑田さんが皆んなに声をかければ歓声と拍手が上がる。

ワイワイする中私は誠に手を取られる。
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