今夜だけのはずが極上の彼に愛されて
やっぱり俺は紅羽を放っておけないんだとつくづく思った。

あんな事言われたら…

ちゃんと話しをしないと。

そう思ってやっと店につけば、紅羽は想像以上に酔っていた。

なんなの本当に。

桑が俺の言った通り目を光らせてくれているからか、他の男性社員は紅羽を見てはいるものの、あからさまに近づいてどうにかしようとしている奴はいないみたいだ。

桑に封筒に入れた飲み代を渡して紅羽を連れ出そうとするも、嫌だと駄々をこねる。

そんな顔で見るなよ。

潤んだ瞳はキュルキュルしていて頬も赤らんでいる。

紅羽の色気がダダもれしてしまっている。
これ以上こんな紅羽を他の奴に見せたくない。

紅羽もさすがにここでこれ以上駄々をこねて目立つのはまずいと思ったのか、幹事の所へ行って挨拶をして店から一人で出て行こうとするも、酔いが足にきてフラつく。

もう!

俺は見ていられずに腕を掴んで支えると社員から悲鳴だか歓声だかが上がる。
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