今夜だけのはずが極上の彼に愛されて
「いつでも泊まり来れるな」

「う、うん」

紅羽はまだ照れくさそうにしている。

「住んでもいいよ」

なんて言ってみる。

「う、うん」

え?
まじ?

「えっ!?」

あ、間違ったやつか?

「クククク。いつでも。紅羽がいいと思ったらいつかここに引っ越しておいで」

「……うん」

おお。
なかなかの好感触だこれは。

そしてお風呂から上がって遅めの昼ごはんをとる。

「美味しいね」

「そだな」

なんて平和なんだ。

「これからどうする? 出かける? それともゆっくりする?」

俺の中で帰す選択肢はない。

「んー、ゆっくりする」

はは。紅羽もだった。

「おけ」

ソファに座って俺のTシャツをブカブカで着た紅羽が俺の膝枕で横になる。
素直に甘える姿がたまらんな。

そんな事を思いながらスケッチブックにデザイン画を描いていく。
< 194 / 288 >

この作品をシェア

pagetop