今夜だけのはずが極上の彼に愛されて
その時ちょうど私の電話が鳴る。

「あ! ママ! うん。今ニューヨーク。そう誠と。え? ママ達も来てる!?」

私はバッと誠に顔を向ける。

誠も驚いた顔をしている。

「え? あ、うん、ちょっと待って」

一度電話を耳から離す。

「ママ達、一緒にランチしないかだって。どうする?」

私は誠に聞く。

「全然オッケー」

二つ返事で誠から許可がおりた。

「あ、もしもし? 行けるよ! うん。わかった! 後でね!」

ランチの場所を言われて電話を切った。

「びっくりしたー。急なんだもんいつも」

「ははは。さすがだな。俺は会えて嬉しい」

誠は付き合った時に、両親に挨拶したいと言って電話でだけ話しをしていた。

「びっくりしないでね」

「ははは、大丈夫だよ。写真見せてもらったし」

本社に行くのは明日だから今日は何もないし、まぁちょうどいいっちゃちょうどいいか。

そして指定された場所へタクシーで向かった。

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