今夜だけのはずが極上の彼に愛されて


「俺こないだ死んだかと思ったけどな。ライオンと友達なったんだけどさ、あいつら猫みたいに甘えるんだけど力加減おかしいから噛みつかれてよ。ガハハハ!」

そう言って足に巻いた包帯を見せられた。
いや、それ笑い事か?

さっきめちゃくちゃ走ってなかったか?

「大丈夫ですかそれ」

誠ももう笑ってしまっている。

「大丈夫大丈夫!」

何故かママが答える。

「ははは! ほらランチにしよう!」

パパがそう言って先陣切って中に入って行ったので私も誠と目を合わせて後ろに続く。

「それで? いつ結婚するの?」

食事をとりながら近況報告をしていれば急にママが爆弾を落とした。

私はちょうど口にしていたコーラを向かい側に座るパパに派手にぶちまけてしまった。

「あらら、紅羽ったら汚いわねー」

ママはそう言ってパパの顔を紙ナプキンで拭く。
< 200 / 288 >

この作品をシェア

pagetop