今夜だけのはずが極上の彼に愛されて
「けっ、けっ…」
「え? しないの? 二人ともお似合いじゃないの。ねぇ?」
ママがパパに言う。
「俺もマットくんなら安心なんだけどなぁ」
パパまでっ!?
私は誠をチラッと見ればクスッと笑われ口を拭かれる。
「俺は紅羽ちゃんが良ければいつでも大歓迎なんですけどね」
パパとママに向かって誠はそんな事を口にした。
んえ!?
そんな話しした事なかったじゃん!
私は目を大きく開ける。
「ふふ。楽しみにしてるわね! それじゃ私たちはそろそろ行くわ! マットくん、紅羽の事よろしくね!」
そして立ち上がると今度は私を見下ろすママ。
「紅羽、あんたも将来の事そろそろちゃんと考えなさい」
そう言って両親は店を出て行った。