今夜だけのはずが極上の彼に愛されて
「誠も…。本当に素敵」

そして式は進み、いよいよ誓いのキスの儀式になる。

牧師の合図で私たちは向かい合わせになり見つめ合う。

ゆっくりと誠の端正な顔が近づきそっと目を閉じれば唇にしっとりと柔らかく優しいキスが落とされた。

離れる時ハムっと一瞬イタズラするように食べられる。

「足りないな」

なんて言いながら私を見つめるその瞳は熱く燃え上がるような情炎の炎が揺らいで見えた。

「夜までとっとく」

耳元にそっと囁かれる。

その瞬間ズクンとお腹の奥が反応して熱を持ったのがわかった。

私はこの甘く囁くバリトンボイスにどうも弱い。

それをわかっていて誠はそうしてる。
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