今夜だけのはずが極上の彼に愛されて
「紅羽っ…」
「誠っ…」
互いの名前を呼び合い見つめ合ってから、二人で天を仰ぐように絶頂を迎えた。
ゆっくりと脚を解放してやり、やっと大きく息を吸う紅羽。
「紅羽、俺も紅羽だけだから」
「クリスティーナさんは…?」
紅羽の額に滲んだ汗で張り付いた前髪をよかしそこにキスをする。
「クリスティーナさんとは、昔一度だけ食事に行った。でもそれだけだよ。あんな肉食女だなんて知らなかったしな」
「肉食女って…」
クスッと笑う紅羽。
「知ってたら行かなかったよ。俺ほんと無理あの人」
紅羽はまた笑う。
「ごめんな、あんなの目の前で見たらいい気しないよな」
「私もごめんね。むげにできないってわかってたのに、嫉妬して逃げるみたいに…。誠はちゃんと断ってたのに…」
俺は首を横に振る。
「わかってる。俺もすぐに追いかけてやれなくて悪かった」
「もう逃げたりしないから…」
「何があっても俺の言葉だけを信じて」
「うん」