今夜だけのはずが極上の彼に愛されて


きっとこの先も訳のわからん奴は出てくるはずだ。

「お互いを思う気持ちと信じる気持ちがあれば大丈夫」

「うん」

「素直で可愛いな、紅羽ちゃんは」

「誠…、その紅羽ちゃんてのなんとかなんない?」

紅羽は笑いながらそんな事を言ってくる。

「ちょ、紅羽ちゃん笑わないで。抜ける」

「あはははは!」

余計に笑う紅羽。

「ちょっ…抜けるって! 押し出すな! まだ中にいたい」

焦る俺を見てまだ笑う。

「「あ」」

ついに押し出されてしまった。

「追い出された」

シュンと肩を落とす俺に紅羽はチュッとキスをした。

「可愛い」

可愛いだって?
俺はそのまま後先考えずに首筋に噛み付くように吸い付いた。

「誠っ! 絶対今の付いた!」

付いたよ。
ばっちり。
俺を可愛いだなんて言った罰だ。

それから俺を押し出した罰。

俺はまたグッと中に入った。

「んっ…」

一気に紅羽の顔つきが変わる。

そしてお互い言葉もなくまた抱き合ったのだった。
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