今夜だけのはずが極上の彼に愛されて
「そんなの俺が決める事だ」

「それは困りますね。九条さん、夜の女の子のお店に行くお金はどこから出てますか?」

俺がそう言うと顔つきが変わった。

「最近、俺と同じ車種も購入しましたね」

「別にマットくんの真似をした訳じゃない」

そういう事を言ってるんじゃない。
頭が弱いにも程があるな。

「調べによれば、ここ数年会社は赤字経営が続いてるようですが?」

「んなっ!?」

「ずいぶんと羽振りが良いようで」

こいつは会社の金を不正に使い込んでいる。

「警察に言っても良いんですよ?」

「やめろ!」

「なら約束して下さい。今後一切取引はもちろん停止、Mattの商品を着ない事。それから…」

俺は立ち上がり九条の目の前まで行き、ネクタイをグッと引っ張り顔がぶつかるほど近くに引き寄せる。

「俺の妻に近づくな」

「わ、わかった…。悪かった…。悪かったから警察だけは勘弁してくれ」
< 261 / 288 >

この作品をシェア

pagetop