今夜だけのはずが極上の彼に愛されて
叶わない夢などない
ーーーー

〜紅羽side〜

「うっ…」

私は炊き上がったばかりの炊飯器から上がる、お米の香りを嗅いで口を押さえた。

これはまさか…

そんな私を見て誠は目を大きくする。

「紅羽ちゃん、座ってて?」

誠が私の背中に手を添えてゆっくりとソファまで連れて行ってくれる。

「う、うん。ありがとう」

これは絶対そうだ。

「ママ大丈夫?」

すると長女で3歳の真叶(まかな)が心配そうに私の元へとやってくる。

「ママ?」

長男で2歳叶空(のあ)もやってきた。

私は今二人の子宝に恵まれて子育てに仕事に奮闘しながら過ごしてる。

そしてたぶん今お腹の中には三人目がいる。
これは悪阻だ。

子供の前だから誠も普通にしてるけど内心ハラハラしてるはず。

チラチラ私を見ながらキッチンで子供達のご飯の準備の続きをしている。
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