今夜だけのはずが極上の彼に愛されて


「そんなに見つめられるとここで襲っちゃうよ?」

「んなっ!?」

私は我に返ったように慌ててまたメイクを再開した。

「俺は全然いいけどね」

そう言って後ろから服の中に手が入ってきて胸を揉み始めた。

「だ、だめ!」

このまま抱かれてもいいだなんて一瞬思ったけど、子供達が待っている。
なんとか理性をかき集め誠の手をペンと叩いた。

「ははは!」

「ママー! まだぁ?」

リビングから子供たちが叫ぶ。

「今行くー!」

「くくくっ」

返事をする私を見て笑う機嫌な誠を横目に物凄いスピードで顔を仕上げる私。

「出来た! 行こう!」

誠が用意してくれた服に着替えて部屋を出ようとすれば、誠に腕を掴まれ引き止められる。

「忘れ物」

そう言って誠は私にキスを落とした。
< 286 / 288 >

この作品をシェア

pagetop