今夜だけのはずが極上の彼に愛されて
そんな私が直人に惹かれるのは至極当然の事で、ある日告白されてすぐにイエスの返事をして交際に至った。
特に職場でも恋愛は禁止されておらずオープンにしている事もあってみんな温かい目で見てくれている。
「ありがとう、直人」
私は裸のまま後ろから抱きしめる直人の腕をキュっと掴み顔だけ振り向くと優しく微笑まれてキスをされた。
そんな日が続いて、大きな仕事が片付いた所で私は直人に呼ばれてレストランへ向かう。
お店に入ると直人の隣で俯いた顔をする後輩の雪(ゆき)ちゃんがいた。
どうしたんだろ?
何か相談事かな?
直人と目が合うと、直人も私を見て少し困ったように眉を下げた。
「雪ちゃん? どうしたの?」
私は向かいの席に座って雪ちゃんに話しかけると、泣いたんであろう真っ赤な目をした顔をして私を見上げた。
「紅羽先輩…」
なんかすごく思い詰めたような顔だ。