今夜だけのはずが極上の彼に愛されて
「俺、このままで終わらせたくないんだけど」
更に追い討ちをかけるように耳元で誘惑される。
顔を見上げれば真っ直ぐに私を見下ろす誠。
そんな顔で…
そんな選択肢を…
頭ではダメだとわかってるのに、どうしてこの誘惑に乗りたいと思ってしまうのか。
「今日、この後のパーティーも参加する?」
私はコクっと頷く。
「ならそれが終わったら…俺の家に来ない?」
これは悪魔の囁きだ。
「ずるい…」
私がそう言うと誠はクスッと笑って携帯を出した。
「はい。連絡先交換するよ」
こうなるともう断れない。
この人はわかっていてこうしているのだろうか。
結局のところ私も大人しく携帯を出してしまう。
「連絡するから。帰るなよ?」
んぐっ!
「今日も一段と綺麗だな。ドレス、似合ってる」
誠もめちゃくちゃカッコいい。
相変わらず危ない雰囲気ではあるけど、彼はそれがもう板についている感じだ。
タートルネックの襟元から隠しきれていないタトゥーに目が行ってしまう。
口元で光るピアスにも。