今夜だけのはずが極上の彼に愛されて
パチっと目を開ける。
いつの間にか寝落ちしてしまったようだ。
まだ外は暗い。

隣を見れば、裸のままベッドサイドのランプを付けてヘッドボードに寄りかかりながらスケッチブックにデザインを描いている誠。

「本当好きだね」

「ん、起きた? おはよ」

まだ夜だけどね。

「…おはよう」

歯に噛むように返事をする。

「デザインを書くことと、それから美味いものと美味い酒と…」

そう言いながらスケッチブックをベッドサイドに置いて、ベッドの中にまた潜り込んでくる誠。

「あとは紅羽ちゃんが好きかな」

そして私に抱きついてくる。
軽い…
さっきの最中にも…

「もう一回しようか」

誠と過ごす時間は夢心地で…
何故か断れない。

このままで終わらせたくないだとか、好きだとかとか言ってさ…

私の気が変わるまでは大人の関係でって…

良く知らないし…
もっと知ってからじゃないと…

なんてどんどんグラつく私の脆い意志。
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