今夜だけのはずが極上の彼に愛されて


しかも誠のデザインは私がパターンにおこしたい全部。
私じゃないと再現出来ないでしょ。

そんな事まで頭を過ぎる。

「んっ…」

そして私はまたこのキスに溺れていく。

まだ夜は明けていないからセーフだ。
そんな都合のいいルールを作り自分に言い訳をする。

今夜だけ。
今夜だけよ。

じゃないと痛い目を見るのは私だ。

そして夜が明けるまで誠は私を飽きもせず求めた。

「も、もう無理っ…」

「俺を見て何も思わない?」

え?
どういう意味?

正面から覆い被さり私を見下ろす誠。

「紅羽ちゃん…何でパタンナーになったの?」

ガンと突き上げられる。

「はぁっ…! 服を作るのがっ…好きだから」

なんとか答えた。

「パタンナーの仕事…どこで知った?」

え?
それは…

昔ある人にこういう仕事があるって教えてもらったから…
< 74 / 288 >

この作品をシェア

pagetop