今夜だけのはずが極上の彼に愛されて
「それじゃ、またね」

誠はそう言って車を発進させ行ってしまった。

またねって…

それにしても車もすごいの乗ってるわ。
初めて乗ったあんな車。

誠の車は誰もが知ってるイタリア製の高級スポーツカーだった。
まさか私の人生でラン◯ルギーニに乗る日が来るとはね。

やはり住む世界が違う。

デザイナーとパタンナーは仕事上では近いかもしれないけど、私と誠は凄く遠い感じがした。

だって私の相棒はマウンテンバイクだぞ。
そりゃ同年代の女性よりは稼いでる方ではあるだろうけどさ。

そしてマンションに入って自分の部屋へと入りドレスを脱いだ。

脚がまだガクガクしてしまってる。

それにしても、どうして誠はあんな事聞いてきたんだろう?

やっぱり面接だった?

でもなにの?

また仕事くれる?

こうなってくると何のパートナーなのかわかんないな…

そんな事を思いながら私はガクガクの脚をなんとか動かしてアトリエに愛車のマウンテンバイクで向かった。
< 76 / 288 >

この作品をシェア

pagetop