今夜だけのはずが極上の彼に愛されて
導き
〜誠side〜

彼女をマンションに送り届け帰りの車で俺は想いを馳せる。

まさか昨日のショーで会えるなんて。


♦︎♦︎♦︎

ある日、親友の健(たける)がバーテンダーをしている店に行くと一人の女性が入り口の前で佇んでいた。

ロングのウルフカットにはランダムにカールがかかり、ホワイトに近いカラーと黒のカラーがこれまたランダムに染められていてとても個性的だ。

着ている服は黒のオシャレなドレス。
花束を持っている所を見ると結婚式に呼ばれた帰りか?

女性らしいウエストのくびれがとても綺麗に出ているドレスだ。

俺は菱岡 誠(ひしおかまこと)28歳。
皆んなは俺をマットと呼ぶ。
そんな俺はファッションブランド『Matt』のデザイナーを生業にしている。

それもあって彼女の綺麗な後ろ姿についどこのドレスなのか知りたくなった。

オーダーメイドか?

「入んないの?」

気づけば俺は自分から話しかけていた。
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