今夜だけのはずが極上の彼に愛されて
彼女はハッと驚いたようにして謝り振り返る。

え…

一瞬で彼女に目を奪われた。

なんて美人なんだ。
とても雰囲気のある魅力的なその容姿に俺の心臓は悲鳴をあげている。

こんな事…

そんな俺を他所に、彼女はどこか憂いを帯びたそんな表情をしている。

何か嫌な事でもあったのだろうか?

話がしたいと思った。
笑顔が見たいと。

そしてもう一度入らないのか聞けば彼女は店に入る事にしたらしい。

良かった。
これで少しは話せそうだ。

店に入ればタケルは案の定俺の連れかと聞いてくる。

しかも彼女の持っていたブーケから水が溢れて床とドレスが濡れてしまう。

タケルはドレスを拭くようにタオルを渡したのに、彼女は何を思ったんだか床を拭いた。



< 78 / 288 >

この作品をシェア

pagetop