執拗に愛されて、愛して
Episode5
試練
思いが通じあっても試練っていうのはすぐにやってくるもので。
「は、転勤ですか?」
上司からの別の支社でキャリアを積んでみないかという提案があった。
提案というか、行くよね?みたいな確認。
「うん、頑張ってきてたし1、2年の修行積んで戻ってきたらこっちで昇進の話を進めようと思うんだけど。」
いわば昇進の為の通過儀礼。
小さめの支社で上の立場として出来れば、本社での昇進が決まる。
1人なら迷いなく「はい」と言えたのに、言えなかったのは前回遠距離のせいで続かなかった雅との事があったから。
「…これは、強制ですか?」
「そうだねー、女性で先陣を君には切って欲しいと思うから是非とも行って欲しいけどね」
断りにくい。
そして激しく期待されている。
仕事を必死にやってきたのは昇進の為でも無く、仕事が好きだからだったけど、こういう自分の努力が報われる瞬間も好きだった。
前なら喜んですぐに受けただろうけど、今私には仕事と並ぶくらいには大事な存在もあったから、即答できなかった。
仕事と並ぶ…、いや、きっとそれ以上に。
「は、転勤ですか?」
上司からの別の支社でキャリアを積んでみないかという提案があった。
提案というか、行くよね?みたいな確認。
「うん、頑張ってきてたし1、2年の修行積んで戻ってきたらこっちで昇進の話を進めようと思うんだけど。」
いわば昇進の為の通過儀礼。
小さめの支社で上の立場として出来れば、本社での昇進が決まる。
1人なら迷いなく「はい」と言えたのに、言えなかったのは前回遠距離のせいで続かなかった雅との事があったから。
「…これは、強制ですか?」
「そうだねー、女性で先陣を君には切って欲しいと思うから是非とも行って欲しいけどね」
断りにくい。
そして激しく期待されている。
仕事を必死にやってきたのは昇進の為でも無く、仕事が好きだからだったけど、こういう自分の努力が報われる瞬間も好きだった。
前なら喜んですぐに受けただろうけど、今私には仕事と並ぶくらいには大事な存在もあったから、即答できなかった。
仕事と並ぶ…、いや、きっとそれ以上に。