執拗に愛されて、愛して
誰かに抱き抱えられてるような感覚がして、目を覚ます。

いつの間にか眠っていたのか、目を開くと雅がいた。


「起こした?」

「…ううん、おかえり」


回らない頭で挨拶だけすると、またウトウトとしてしまう。


「ソファーで寝落ちとか珍しい事してんな。風邪引くぞ」


そう言いながら優しくベッドに下ろす。


「あー、重かった」

「悪かったわね」


ふっと笑う姿が冗談って言ってるのを表していて、そんな姿にもときめいてしまう。

やっぱり離れたくないかも。

キャリアは諦めても好きな仕事は続けられるし。

またあんたと駄目になるかもしれないなんてもう考えたくない。
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