執拗に愛されて、愛して
お昼休み、いつものように外でご飯をしようと思っていた時だった。


「朝比奈さん、一緒にご飯行きませんか。」


堤君くんにお昼のお誘いを受けて、快諾する。

どこのお店で食べようかと2人で歩いていた時だった。


「どっか入りたい所ある?この辺のお店まだわかってなくて」


隣に歩く堤くんに問いかけると「そうですね」と辺りを見渡している。

一緒にお店を探していると、ポケットの中に入っているスマホのバイブが揺れた。

何事かと思い、スマホを取り出して画面を確認すると、雅の名前が表示されている。


「あ、ごめん。ちょっと待って」


堤くんの許可を取って、そのまま通話ボタンを押してスマホを耳に当てる。


「何よ、急に電話なんて」

『今何してんの』


完全寝起きの声だった。

今日休みって言ってたっけ。

そんなことを思い出しながら「今からお昼なのよ、今日後輩とご飯だから時間なくって」と早めに電話を終わらせようと話を切り上げる。

雅はそこで引くどころか少し間を開けて『…男?』なんて確認をしてくる。

いつも男かどうかなんて確認なんてしてこないのに、珍しい。
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