執拗に愛されて、愛して

年末年始

「ただいまー。」


ドサッと玄関先に荷物を置いて、声を掛けるとうちの母が走ってくる。


「おかえりー！雅くんもいらっしゃい！」

「お邪魔します」


なんで私、こいつと自分の実家に帰ってきたんだっけ。




𓂃𓈒𓂂𓏸




きっかけはクリスマス前の電話だったと思う。

年末年始は向こうに帰って雅と過ごそうかなんて考えていた時に母からの電話で久しぶりに帰ってこいと言われた。

それも私だけではなくて雅も一緒に。

いやいや、彼女の実家になんて来る彼氏いないと説得はしてみたものの、雅はあっさり承諾。

本当こいつ、なんでこういうとこ肝が据わってるのか。

よくわからない。

私なら彼氏の実家に一緒にとか意味のわからないイベント絶対行きたくないのに。