執拗に愛されて、愛して
「部屋は夏帆の部屋整理して布団も置いておいたから2人で使ってね」


私の部屋、まだ残してたんだ。

前回帰省した時は見向きもしなかった部屋。

私の部屋は記憶が高校生で止まっている。

大学になってから帰省ほとんどしなかったし。

近くに雅がいた事と、大学4年はもう忙しかったから。

懐かしい気持ちで足先を自分の部屋だった場所へ向ける。

中に入ると雰囲気とか何も変わってなくて高校の時のままだった。


「…まだこのまま残ってたんだ」

「今じゃ考えられないくらい可愛らしい部屋してんな」


雅の言葉に今だけはうんと素直に頷く。

高校の時と全く趣味も違う。

部屋のタイプが違うのはおかしくないけど、ここまで違ってたか。

可愛らしい物が好きだった高校時代の私。
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