執拗に愛されて、愛して
「え、ええ。それで話し合いもせず疎遠になっちゃったんですか？」


堤くんとのランチでその出来事の話をして、驚きを隠せない様子で目を丸くさせている。

彼はあれから彼女との仲を修復する事に成功したらしく、今は仲良く過ごしてるらしい。


「何か意味のわかんない事を言い出すのも今更だし、それに毎度振り回されるのも腹が立ってきちゃって。」


片頬を片手で抑えながら言うと、堤くんは「あー」と声を漏らして苦笑いしている。

どんな意図がとかは聞いてもよく分からなかったし、もう好きなようにさせよう。

そう決めてはいたものの、気になるか気にならないかはまた別の話で。

仕事が終わって帰ってやることを済ませた頃、探りを入れるために玲くんに電話を掛けていた。

だって、気になるじゃん。あの男が何の意図であんな事を言ってきたのかとか、私と連絡取らないとか会わないって決まってどんな態度を取っているのか。


『雅？バカみたいに今日は酒飲んでる。やけ酒って感じ？』


そう言いながら玲くんは笑っている。

なんでそっちがやけ酒すんのよ。

私の方がそうしたい気分なのに。
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