執拗に愛されて、愛して

───Side　雅


「あれ、電話終わったの？」

「まあ。てかもう仕事中に電話変わるとかやめろよ。」


そう言いながら玲の手元にスマートフォンを返す。


「その割には嬉しそうな顔してたじゃん」


揶揄う玲にそんなはずねぇだろと否定できないのは、実際その通りで図星だったから。

まだ、ダメなんだよ。

前みたいにどうせなら俺と同じくらい好きになってほしい。

これで寂しくして別れようなんて言われたら前の二の舞いになるわけだけど。

でも今回はなんとなく行けそうな気がする。

少しずつ夏帆が俺と同じくらい好きになってきてるんじゃないかって僅かに期待していた。

だけどまだまだ足りない。

俺は欲張りだから見返りを求めなきゃやってらんないし。