執拗に愛されて、愛して
「憂いを帯びた夏帆さん綺麗だなって。そりゃ彼氏もあんなにイケメンなわけですよね」

と勝手にうっとりしている。

この1年半で下の子達とも随分仲良くなれたと思う。


「もう馬鹿言ってなくていいから」


そう笑って流すと、タイピングしていた手が止まる。

好きで美容にもオシャレにも気を使ってきたけど、最近それが自分のためじゃなくて雅に綺麗と思ってほしくてやっている気がした。

2つ上の無駄に色気だけついたあの男の隣に並んでも恥ずかしくないように。

いまだにこんなのとか言われるけど。

アイツの周りに寄る女の人はどの人も綺麗だ。

前までそんな事どうだってよかったのにな。

どんどん割り切れなくなっているのは私だ。
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