執拗に愛されて、愛して
『お前は?』

「…そうね、2週間後が待ち遠しいかな」


そんな風に答えると電話の向こう側でふっと笑いを零す声が聞こえた。


『そっか、うん。俺も』

「これから送別会開いてくれるらしいから、行ってくるわ。またね」

『飲み過ぎんなよ』

「大丈夫よ、自分のキャパぐらい理解してるもの。」


そう言って電話を切る。

あの気の抜けた笑い方を聞いて安心した。

きっと同じ気持ちだったよね。

声を聞くだけでこんなに嬉しいなんて知らなかった。
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