執拗に愛されて、愛して
「ダメだ、疲れた。」


金曜日、相変わらず残業続きでもう枯れ木の様な姿になっている。

そんな女の名前は、朝比奈(あさひな) 夏帆(かほ)

広報部で働いてて役職に就かせてもらって働いている。

忙しい時期を抜けて残業も今日で目途が立ちそうな週末。

明日休みだしいっそお酒でも飲んで帰ろうかな。なんて考えていた。

飲むと言ってもどこのお店にしようかと辺りを見渡して、何気無しにふと路地裏を見た時だった。

男女がキスをしていて隠すつもりは無いのか、むしろ見せつけられる感じがした。


「(やってらんないわ、本当。)」


疲れきった身体にあんなのは毒。

目線をすぐ他に移したが、どこか違和感を感じた。


「(男側、見覚えある顔だった⋯?いや、気の所為。私の知り合いにあんなのいないし。)」


知っていたとしても厄介毎に巻き込まれたくないし、気付かないふりをしてそのまま目に付いた近くのバーにフラッと入った。
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