執拗に愛されて、愛して
「ありがとう、大事にする」


そう言いながらブレスレットを手にとって渡してくる。


「着けて」


ブレスレットを受け取ると、右手首に着ける。

雅は左利きだから利き手と逆方向に。

細くて白い肌にブレスレットが映える。

このくらいの独占欲、許されるでしょ。

ブレスレットから雅に目線を映すと、雅の目は私を映していた。


「…何」

「…今回は耐えれたなって。遠距離。」


前回より短くても前回より辛かった。

前回よりもずっと寂しい思いをした。

だから今日をどれだけ楽しみにしてたか、あんたにはわからないでしょ。


「会いたかった?」


頬杖をついて私の答えが既にわかっているかのような表情をする。

本当言いたくない。

そんな余裕そうな表情《かお》しちゃって。

私ばかりが求めてたみたいな。

だけど、もう駆け引きとかそんなのもうんざりなの。


「…すごく、会いたかった。」


出来る限りの笑顔でそう言うと、ふと笑みをこぼして「俺も」なんて甘く言うから。

会う前も会った後もずっと頭からあんたが離れない。
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