執拗に愛されて、愛して
「暇よね。今日私のストレス発散に付き合ってくれない?」

『聞けよ』


そんな雅のツッコミには聞こえないふりをして話を続けた。

もう私もここまでやっておいて後には引けなかったのもある。


「付き合ってくれたら今日のご飯も夜のバーも私の奢り。好きなだけ食べさせてあげるし、好きなだけ飲ませてあげる。」

『…同伴?』

「ホストだったのあんた」


さっきまでストレスで胃が痛かったけど少しずつマシになってくる。

本当気心知れた男友達との会話は気を遣わなくて楽。


『あー、今から用意しても時間かかるわ。今から送る住所まで迎えに来てくんね?』

「図々しい男ね、私の方が時間掛かるわよ。今から用意だもの」

『何でだよ、誘って来といて。とりあえず来て。送っとくから』


そう言って一方的に電話を切られる。本当強引で我儘な男。

一息吐いて私も準備を始める。
< 21 / 222 >

この作品をシェア

pagetop