執拗に愛されて、愛して
初めて入ったが雰囲気がかなり良くて、酔っ払って叫ぶ様にカラオケで歌う客も大声で話す客も居ない。

静かで話すのには程良くて、デートなどにも使えそうな程に雰囲気が良い。

あまり若者が集う賑やかな雰囲気のバーが好きじゃないため、静かな雰囲気の方が好みな私はそれだけですぐにこのバーを気に入った。


「いらっしゃいませ」


そう声をかけてくれたのはイケメンなバーテンダー。

黒いシャツに黒いズボンで真っ黒な制服なのだろうか、そんなスタイルで出迎えてくれる。

明るめの髪色が似合ってて、それでいて清潔感もあってチャラさは感じなかった。


「(その服装の男さっき見たけど…。)」


そう思いつつも、カウンター席に案内されるまま座る。

パッと見お客さんはそんなに多くは無い。

1人客もいれば2人で飲んでいる人もいる。


「何飲まれます?」

「じゃあジントニックで」


そう注文をすると、手際よく作り始めてくれる。

スマートで格好良い。

思わず見惚れていると目が合って、ニコッと微笑むなり話し掛けてくる。


「というか初めてのお客様ですよね。」

「あ、はい。ふらっと入ってみたくなって」

「お選び頂けて光栄です。」


柔らかく笑うイケメンお兄さんの顔に思わずうっとりしてしまう。

この顔見てるだけで癒されそう。

私は極度の面食いで顔面優良男子に目が無い。
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