執拗に愛されて、愛して
「というかスーツじゃなくていいって言ったのに」

「カジュアル系にはしてきたろ。本当優秀俺」

「今日だけは素直に褒められるわ、スーツ似合いすぎて大優勝」


それにちゃんと手土産も用意してきた辺り、本当に営業で働いていてだけあって常識もある事はわかった。

普通にしていたら…。この女癖さえなければ本当に優良物件だと思う。


「あー、本当。このクズさと女遊びさえなければな。」

「でも顔は好きだろ?」

「そこだけはまじで満点」


お酒を飲みながら答える。

親へ紹介は胃が痛いけど、今日を乗り越えれば平穏が訪れる。


「今日は全部私持ち!」

「え、お前。金持ってんね、養ってくんね?」

「馬鹿じゃないの」


何故2つ上の男を私が養わなければならないのか。
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