執拗に愛されて、愛して
先に実家に着くと、久しぶりに雅とうちの両親が顔を合わせている。


「まさか最近出来た恋人が雅くんだったなんて…、いつの間にそんな事に?」


お母さんは予想通り驚いている。

そりゃ驚くに決まってるよね。


「たまたま最近再会して、お互いまだ好きだったみたいで」


表向きの笑顔で答えている。

本当さすが元営業というべきか、愛想と話し方で安心させる様に話している雅を感心する。


「さ、雅くん飲んで飲んで」


お父さんは雅のグラスにお酒を注いでいる。


「あ、すみません。いただきます」

「ちょっとあんま飲ませないで、この後も行く所あるし。顔見せに来ただけだけだからすぐ出るわよ」


そう言いながらお父さんを止めても上機嫌に笑っている。
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