執拗に愛されて、愛して
「…あ、そう。」


それだけ言うと私もお酒を口に流し込む。


「ていうか、本気でこれから恋愛する気ねぇの?」


雅からの問いかけに「んー」と声を漏らす。

良い人が居ればその時理性関係なく好きになってしまうのかもしれない。

でもそんな人がそもそも見つかればで、胸を打たれる様な好きな人はまだ出来ない。

これからそんな人に出会えるとも思っていない。

今から新しい関係を気付いて駆け引きして、そういうのも面倒だったりする。


「無いかな。今一番遠ざけたいものかも」


そう言うと雅はお酒が入ったコップを持って隣に座ってくる。


「せっかくこんなに綺麗で可愛いのにもったいない。」


そう言いながら持っていたグラスを置いて、私の結っていた髪を解く。
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