執拗に愛されて、愛して
「結んでんのもエロいけど、解いてる方が好き」

「あんたの好みなんて知らないんですけど」


そう言ったタイミングで、唇が重なる。

お酒の味がして、それだけでなんだか酔ってしまいそうだった。

もうこの男と2人きりになる時点で諦めも当然ついている。

それでも私にはこれからの平穏のほうが大事だった。

抱かれようが危険な男に捕まろうが、もうお見合いだとかそういった事から逃げたくて。

この男だからむしろ良かったのかもしれない。

間違いがあっても私以外にも相手がいるから後腐れ無く終われる。

そしてきっとまた友達に戻っていくんだと思う。

時々寂しくなったら雅に慰めてもらうのも良いかも。

女遊びするこんなクズ嫌いだったのに、恋愛を諦めてしまえばどうでも良くなる。
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