執拗に愛されて、愛して
「へー、本当に行ってきたんだ」


お土産ありがとうと言いながら受け取っているのは玲くん。

少し遠くの方で雅が別のお客さんと話している。


「どうだった、雅との旅行。結構ちゃんとリサーチしてたんだよ、ああ見えて」

「へぇ、意外。すごく楽しかった。私のツボ抑えてきてたわ」


そう言いながら少し強めのカクテルを口に流し込む。


「そっか、恋人同士なわけではないんだよね?」

「まさか、付き合わないわよ。私と雅は」


そう言って笑いながら無い無いと顔の前で手を動かす。

きっとアイツもそんなつもり毛頭無いでしょうし。


「夏帆ちゃん、今度俺とも遊びに行こうよ」

「へ…?」


玲くんの予想外の言葉に驚く。

何で今私は玲くんにデートに誘われているのか。
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