執拗に愛されて、愛して
「2人知り合い?」


玲くんの声に何も答えずにいると、雅がカウンター内に入りながら口を開く。


「元カノ。久々じゃん?元気そうで、何も変わってない」

「…雅は変わったね」


昔は外であんなキスをする人じゃなかった。

元彼のあんな姿見たくなかった。

...もう、私には関係ないけど。


「そりゃ5年も会わなかったらね。」

「5年で何があったら外であんな風にキスするの」

「はあ、雅。もうやめなって言ったじゃん。お客さんとそういうの」


私の言葉を聞いた玲くんが呆れていた。

その感じを見るに初めてじゃないんだろうな。


「それでまた金落としてくれんなら良くない?営業営業」


少し面倒臭そうにしながら、グラスにお酒を注いでいる。

こんな最低な発言する男だったっけ?

それとも5年の時が彼を変えてしまったのか、何なのか。
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