執拗に愛されて、愛して
と思っていたのに、こういう時に限って出会ってしまう。

仕事終わりに少し買い物して帰ろうと街中を経由したら今から出勤するであろうこの男と会ってしまった。

この男とは当然雅の事である。

もはや何の反応もしたくない。

穏やかな生活ってどこ消えたのかしら。

私の生活ってこんなに誰かに踏み込まれるもんだった?

最近私の生活に常にこいつがいる気がする。


「夏帆、今からバー来んの?」

「行かない、明日も仕事なんだけど」


そう言いながら手首を掴んでくる雅にもはや虚無で答える。

なんかもうすべて面倒だわ。

もはや好きにして状態。


「てか最近お前以外の女切ったんだけど」

「へー、何で?」


興味もないけど一応聞いておく。
< 81 / 222 >

この作品をシェア

pagetop