執拗に愛されて、愛して
「だって夏帆が遊んでくれるって言ったじゃん?」

「言って…!」


いや、言った。言ったけど。

確かにお前だけでいいとか言ってたけど盛り上がって言った事だって思うじゃない。

両手で顔を覆う。

何、この男。ノリも分かるし空気読める癖に、何でそう言うの真に受けるの…。


「とか言いながら今日俺もバー休みなんだよね、家行って良い?」

「だから明日仕事なんだってば!」


そう言いながら腕を引かれて私の家の方に既に向かっている。

本当なんなのこの男。

色々考えすぎて疲れているし、とてもじゃないけどそんな気分じゃない。

本当私の事言えないくらいこいつも人の話を聞いていない。

強引で我儘で面倒な男だ。
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