執拗に愛されて、愛して

動揺

「あ、やっぱりそうなった?」


バーを訪れて玲くんに雅との事を話すと玲くんは楽しそうに笑ってる。

やっぱりということは思い当たる節があったという事だと思う。


「中々焦れったかったからちょっと発破かけちゃった、驚いたでしょ?ごめんね」

「⋯いや、そう言われた方が納得行く。」


玲くんの告白は雅に行動させるためだったという。

そのおかげで今私達はややこしい関係になっている。

恋人だと言うにはどうにも不細工な形をしていて、複雑だ。


「でも、何で付き合ったの?」

「どうせ恋人作る気ないけど、私にも人肌恋しい時はあるし、雅以外と遊ぶ気もなかったし、それなら別に恋人でも変わんないかと思ったの」


そう言って頬杖をついて溜息をつく。

その彼氏(のはず)である男は見知らぬ女性客に愛想振りまいている。

本当、楽しそうに話すなあ

人と話すの向いててお酒作るのも上手い。

本当に前も思ったけど天職だと思う。


「気になる?あのお客さん雅目当てで来るんだよ」

「別に?浮気してもバレない様にしてくれたら何でもいいわ。付き合ってると思ったら浮気されるのは不愉快なのよね」

「しないと思うけど⋯」


そう言う玲くんに次のお酒を注文して、スマホを見る。

明日は休みだし家で1日映画見ててもいいな。

たまには映画館に行くのも。

明日の予定を考えながら、ネットで公開中の映画を調べる。
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