続きは甘く優しいキスで
「やっぱりうちには泊めてあげられないかな。ごめんね」
「えっ、どうしてですか?『いいよ』って言ってくれたじゃないですか」
梨都子は困ったように笑う。
「だって、やっぱり夫婦水入らずがいいかな、って思ってね」
「そんな……。梨都子さんも言った通り、これから空いてるホテルを見つけられるかどうか……」
おろおろしながら携帯を取り出す私に、梨都子がふふっと笑った。
「だから、北川さんに泊めてもらってね」
私は絶句して梨都子の顔をまじまじと見た。携帯を操作しかけていた指が止まる。
「でも、それはけじめが……」
「けじめも大事だけど、北川さんに頼ったっていいんじゃないの?だって二人は恋人同士なんでしょ?彼、この後のことも色々と考えてくれてるみたいだし。素直に『うん』って言った方が可愛いわよ」
梨都子がにっと笑っている。
「今言った通り私の家には泊めてあげられないし、もちろん史也君のとこも駄目よ。ホテルは恐らく全滅なんじゃないかしら。カプセルとかネカフェなんかは言語道断だし。となると消去法で、北川さんの部屋ということになるわよね。そもそも、どうしてそんなに頑なになっているのかが分からないわ。碧ちゃんには、史也君みたいないい加減さが足りないのねぇ」
「ちょっと、梨都子さん、俺のこといい加減って失礼だな」
「あら、ほんとのことでしょ」
涼しい顔で言い切る梨都子に清水は苦笑してから、私に向き直る。
「事情が事情だし、お互いに目の届くところにいた方が安心できていいんじゃないの?」
私はもごもごと言う。
「それは……まぁ……」
「えっ、どうしてですか?『いいよ』って言ってくれたじゃないですか」
梨都子は困ったように笑う。
「だって、やっぱり夫婦水入らずがいいかな、って思ってね」
「そんな……。梨都子さんも言った通り、これから空いてるホテルを見つけられるかどうか……」
おろおろしながら携帯を取り出す私に、梨都子がふふっと笑った。
「だから、北川さんに泊めてもらってね」
私は絶句して梨都子の顔をまじまじと見た。携帯を操作しかけていた指が止まる。
「でも、それはけじめが……」
「けじめも大事だけど、北川さんに頼ったっていいんじゃないの?だって二人は恋人同士なんでしょ?彼、この後のことも色々と考えてくれてるみたいだし。素直に『うん』って言った方が可愛いわよ」
梨都子がにっと笑っている。
「今言った通り私の家には泊めてあげられないし、もちろん史也君のとこも駄目よ。ホテルは恐らく全滅なんじゃないかしら。カプセルとかネカフェなんかは言語道断だし。となると消去法で、北川さんの部屋ということになるわよね。そもそも、どうしてそんなに頑なになっているのかが分からないわ。碧ちゃんには、史也君みたいないい加減さが足りないのねぇ」
「ちょっと、梨都子さん、俺のこといい加減って失礼だな」
「あら、ほんとのことでしょ」
涼しい顔で言い切る梨都子に清水は苦笑してから、私に向き直る。
「事情が事情だし、お互いに目の届くところにいた方が安心できていいんじゃないの?」
私はもごもごと言う。
「それは……まぁ……」