続きは甘く優しいキスで
太田は拓真に殺気だった目を向けたが、斉藤に腕をつかまれ、引きずられるようにして資料室を出て行った。
二人が行ってしまってから、拓真は私の頬にそっと手を触れた。
「恐かったよな。とにかく医務室で手当してもらおう」
「これくらいなら、自分で冷やせば大丈夫だから」
「いや、念のためにちゃんと見てもらおう。医者の診断をもらうことができれば、証拠にもなる。証拠と言えば――」
拓真は言葉を切り、天井の角の方に目をやった。
「今の様子は、あれに記録されているかもしれないな」
「あ……」
太田だけではなく私もまた、あまりにも突然のことに、監視カメラがあることを忘れていたが、もみ合っていた場所からしてその可能性は高い。
「碧にしてみれば、そんな映像、他人に見られたくないだろうけど……」
拓真は迷うように瞳を揺らしたが、私を申し訳なさそうな目で見て続けた。
「場合によっては証拠として使うことになるかもしれない」
本当は、自分が乱暴されている様子が写っているのなら、すぐにも削除してほしい。でもこれが、太田との問題を解決するための一手段となるのならと、私は少しだけ迷った末、頷いた。
「分かった」
「ありがとう。ごめん……。できるだけ最終手段にするから」
「謝らないで。私のことを考えてのことなのは分かってる。それに、拓真君なら絶対に悪いようにはしないでしょ?それから……」
私は腕を伸ばして彼に抱きついた。今は彼にぎゅっと抱き締めてほしい。
「助けに来てくれてありがとう。すごく嬉しかった」
拓真は私を抱き止め、それから悔やむように言う。
二人が行ってしまってから、拓真は私の頬にそっと手を触れた。
「恐かったよな。とにかく医務室で手当してもらおう」
「これくらいなら、自分で冷やせば大丈夫だから」
「いや、念のためにちゃんと見てもらおう。医者の診断をもらうことができれば、証拠にもなる。証拠と言えば――」
拓真は言葉を切り、天井の角の方に目をやった。
「今の様子は、あれに記録されているかもしれないな」
「あ……」
太田だけではなく私もまた、あまりにも突然のことに、監視カメラがあることを忘れていたが、もみ合っていた場所からしてその可能性は高い。
「碧にしてみれば、そんな映像、他人に見られたくないだろうけど……」
拓真は迷うように瞳を揺らしたが、私を申し訳なさそうな目で見て続けた。
「場合によっては証拠として使うことになるかもしれない」
本当は、自分が乱暴されている様子が写っているのなら、すぐにも削除してほしい。でもこれが、太田との問題を解決するための一手段となるのならと、私は少しだけ迷った末、頷いた。
「分かった」
「ありがとう。ごめん……。できるだけ最終手段にするから」
「謝らないで。私のことを考えてのことなのは分かってる。それに、拓真君なら絶対に悪いようにはしないでしょ?それから……」
私は腕を伸ばして彼に抱きついた。今は彼にぎゅっと抱き締めてほしい。
「助けに来てくれてありがとう。すごく嬉しかった」
拓真は私を抱き止め、それから悔やむように言う。