続きは甘く優しいキスで
週末にはたいてい太田と一緒に過ごした。外で食事をしたり、飲みに行ったりしていたが、そのうちに互いの部屋を行き来するようになった。
気づいた時には、付き合い始めた頃よりも彼のことが好きになっていた。そして、太田がキスより先を欲しがっていることも分かっていたけれど、何かと理由をつけてはぐらかしていた。私には、体を許す勇気がまだなかった。
理由は学生時代の恋愛にあった。今にして思えば、その頃の私はあまりにも初心すぎた。当時の彼と最後まで至ることなく別れたのは、そのせいだったと思っている。つまり私には、その前までの経験しかない。そしてそれは、ひどく恥ずかしい記憶として残っている。だから私にとっては未経験であるその先の何かを想像した時、恥ずかしさと恐ろしさで怖気づいてしまうのだ。
なんとなくでいいから、話を聞いてくれる人はいないかしら――。
知人、友人の顔を思い浮かべ、その中にこれはと思う人物を見つけた。こんな悩みを話せるのはあの人しかいない。私にとっては姉のような人、梨都子だ。
私は早速彼女に連絡を入れることにした。
『来週木曜の夜なら空いているよ』
その日のうちに返ってきた返事に、私はカレンダーを確かめる。その日は太田が出張で泊まりの予定になっているからちょうどいいかもしれない。そう言えば、彼と付き合い出してから友人と会うのは久しぶりだ。私はうきうきしながらメッセージを返した。
『リッコで会いましょう』
気づいた時には、付き合い始めた頃よりも彼のことが好きになっていた。そして、太田がキスより先を欲しがっていることも分かっていたけれど、何かと理由をつけてはぐらかしていた。私には、体を許す勇気がまだなかった。
理由は学生時代の恋愛にあった。今にして思えば、その頃の私はあまりにも初心すぎた。当時の彼と最後まで至ることなく別れたのは、そのせいだったと思っている。つまり私には、その前までの経験しかない。そしてそれは、ひどく恥ずかしい記憶として残っている。だから私にとっては未経験であるその先の何かを想像した時、恥ずかしさと恐ろしさで怖気づいてしまうのだ。
なんとなくでいいから、話を聞いてくれる人はいないかしら――。
知人、友人の顔を思い浮かべ、その中にこれはと思う人物を見つけた。こんな悩みを話せるのはあの人しかいない。私にとっては姉のような人、梨都子だ。
私は早速彼女に連絡を入れることにした。
『来週木曜の夜なら空いているよ』
その日のうちに返ってきた返事に、私はカレンダーを確かめる。その日は太田が出張で泊まりの予定になっているからちょうどいいかもしれない。そう言えば、彼と付き合い出してから友人と会うのは久しぶりだ。私はうきうきしながらメッセージを返した。
『リッコで会いましょう』