続きは甘く優しいキスで
「笹本に触れていいのは俺だけだってこと、忘れないでくれよ」

太田はそう言うと、私の両手首を捕らえて頭の上で押さえつけた。そのまま私の息も声も漏らすまいとするほど強く口づけながら、彼は私の脚の間に手を滑り込ませる。

「っ……」

彼の手が触れた瞬間、太田から逃げたくなった。これ以上は嫌だと思い、彼の手を止めたくて抑えられた手首を抜き取ろうとした。しかしその動きはあっけなく阻まれてしまう。

太田はキスをやめて囁く。

「大丈夫だよ。そのまま力を抜いて。気持ちよくしてあげるから」

彼は私の花芯に触れる手を止めず、淫らがましい音をわざとのように立てている。

「痛い……待って……」

優しいとは思えないようなその指の動きを苦痛に感じ、私は彼に訴えた。しかし弱々しい声だったせいで聞こえなかったのか、あるいは故意に聞き流したのか、彼はその手を緩めない。

「お願い、もう……」

やめて……と言うつもりだった言葉は、声にならなかった。太田の手に脚を左右へ押し広げられた。抵抗したかったが、彼の激しすぎる愛撫に力が抜けたようになっていたために、私は彼の手を押し戻すことができなかった。

「んっ……」

初めての痛みに唇を噛んで声を抑えようとする私の中を、太田は何度も激しく貫いた。その間私は声をかみ殺し続け、この時間が早く終わってほしいと思いながら、縋るようにシーツを握りしめていた。

事が終わり、私は彼に背中を向けながらぐったりと体を横たえていた。体のあちこちに鈍い痛みが残っている。

初めてだったのに……。

黙り込んだまま自分の方を見ない私に不安になったのか、太田は許しを請うように囁く。

「優しくできなくてごめん」

彼は私の体に腕を回し、肩先にそっと唇を触れた。
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