続きは甘く優しいキスで
7.歓迎会の後に
北川の歓迎会は、彼が転職してきた翌週半ばに管理部全体で行われた。もしも太田が私たちの関係に何かに気づき、北川に絡むようなことがあったらと心配していたが、そういうこともなく、その飲み会は無事に終わった。
総務課の同僚たちから二次会に誘われたが、私は断った。平日である上幹事役だったし、一次会で気を遣いすぎて疲れてしまった。田苗も夫が迎えに来ると言って帰り支度をしている。結局残った男性同士で店を変えることになったらしく、解散の挨拶をした後、北川は彼らに囲まれるようにしてギラギラと明るい繁華街へ消えて行った。
経理課は全員で二次会に流れることになったらしい。
田苗を見送ってから店の前でどうしようかと少し考えていたら、太田が声をかけてきた。少し酔っぱらっているようだ。
「笹本は総務の二次会、行かないの?」
「え?えぇ」
私は短く答え笑顔を見せた。別れを告げなければと思い始めてからはもう、ぎこちない笑顔しか作れなくなっている。
「この後一緒に飲みに行きたかったのに、今日は無理だな」
「仕方ないですよ。経理は体育会系ですしね」
「まぁな」
「おい、太田!行くぞ!」
「はい、今行きますよ!……送っていけないけど、気をつけてまっすぐ帰れよ。家についたらメッセージ入れるの忘れるなよ。心配だから」
「分かってます。ほら、課長が呼んでる。行ってらっしゃい」
「あぁ。明日の夜にでも、どこかで食事しよう」
太田はそう言うと、私の返事を待たずに自分を待つ一団に向かって大股歩きで近づいていった。
総務課の同僚たちから二次会に誘われたが、私は断った。平日である上幹事役だったし、一次会で気を遣いすぎて疲れてしまった。田苗も夫が迎えに来ると言って帰り支度をしている。結局残った男性同士で店を変えることになったらしく、解散の挨拶をした後、北川は彼らに囲まれるようにしてギラギラと明るい繁華街へ消えて行った。
経理課は全員で二次会に流れることになったらしい。
田苗を見送ってから店の前でどうしようかと少し考えていたら、太田が声をかけてきた。少し酔っぱらっているようだ。
「笹本は総務の二次会、行かないの?」
「え?えぇ」
私は短く答え笑顔を見せた。別れを告げなければと思い始めてからはもう、ぎこちない笑顔しか作れなくなっている。
「この後一緒に飲みに行きたかったのに、今日は無理だな」
「仕方ないですよ。経理は体育会系ですしね」
「まぁな」
「おい、太田!行くぞ!」
「はい、今行きますよ!……送っていけないけど、気をつけてまっすぐ帰れよ。家についたらメッセージ入れるの忘れるなよ。心配だから」
「分かってます。ほら、課長が呼んでる。行ってらっしゃい」
「あぁ。明日の夜にでも、どこかで食事しよう」
太田はそう言うと、私の返事を待たずに自分を待つ一団に向かって大股歩きで近づいていった。