続きは甘く優しいキスで
「私を、好き……?」
この時点になっても、私はまだ信じられないでいた。顔を上げると、私を見つめている北川と目が合って、視線が絡んだ。息をするのを忘れてしまいそうになる。
「笹本さんがバイトに来てから、ずっと気になってたんだ。可愛い子だなって思っただけじゃない。仕事、いつも一生懸命に、しかも楽しそうにやってるだろ?その様子を見ていて、いいなって思ってた。そのうち、君と一緒にいるのを心地よく思うようになった。君が色んな表情を見せる度に、好きになっていった。君のことをもっと知りたいと思うんだ。だから付き合いたいし、俺のことも、これまでよりも間近で見て知ってほしいって思う。返事は今すぐじゃなくてもいいよ。次に会う時まで、考えてみてくれたら嬉しい」
「あの、私は……」
どきどきして言葉が出ない。それきり口をつぐんでしまった私に、彼は静かに言った。
「とりあえず、今日は送らせて。暗くて足元が危ないから、駐車場までは手をつながせてね」
「はい……」
私はこくりと頷き、彼に手を引かれてその場を離れた。耳の奥で響く鼓動を感じながら考える。
好きな人に好きと言われた。付き合ってほしいと言われた。さっきは驚きすぎて、返事を保留したようになってしまったけれど、本当はすぐにも「はい」と答えたい――。
「どうぞ」
北川が助手席側のドアを開ける。
「ありがとうございます」
私は礼を言って彼の車に乗り込んだ。
彼は私が座席に落ち着いたのを確かめてから、エンジンをかけた。それから、私のアパート近くの目印を訊ねる。
部屋を知られるのはまだ早いような気がして、私は少しだけアパートから離れたコンビニの場所を伝えた。
「了解」
この時点になっても、私はまだ信じられないでいた。顔を上げると、私を見つめている北川と目が合って、視線が絡んだ。息をするのを忘れてしまいそうになる。
「笹本さんがバイトに来てから、ずっと気になってたんだ。可愛い子だなって思っただけじゃない。仕事、いつも一生懸命に、しかも楽しそうにやってるだろ?その様子を見ていて、いいなって思ってた。そのうち、君と一緒にいるのを心地よく思うようになった。君が色んな表情を見せる度に、好きになっていった。君のことをもっと知りたいと思うんだ。だから付き合いたいし、俺のことも、これまでよりも間近で見て知ってほしいって思う。返事は今すぐじゃなくてもいいよ。次に会う時まで、考えてみてくれたら嬉しい」
「あの、私は……」
どきどきして言葉が出ない。それきり口をつぐんでしまった私に、彼は静かに言った。
「とりあえず、今日は送らせて。暗くて足元が危ないから、駐車場までは手をつながせてね」
「はい……」
私はこくりと頷き、彼に手を引かれてその場を離れた。耳の奥で響く鼓動を感じながら考える。
好きな人に好きと言われた。付き合ってほしいと言われた。さっきは驚きすぎて、返事を保留したようになってしまったけれど、本当はすぐにも「はい」と答えたい――。
「どうぞ」
北川が助手席側のドアを開ける。
「ありがとうございます」
私は礼を言って彼の車に乗り込んだ。
彼は私が座席に落ち着いたのを確かめてから、エンジンをかけた。それから、私のアパート近くの目印を訊ねる。
部屋を知られるのはまだ早いような気がして、私は少しだけアパートから離れたコンビニの場所を伝えた。
「了解」