君との恋は面倒すぎる
「俺はこう見えて嫉妬深いし、本当は日和に男が近付くだけでも嫌。自分でも初めてなんだよ、付き合ってから知らない自分ばっか出てきて、嫌になる。」


それだけ言うと恥ずかしいのか、誤魔化す様に私を抱きしめて肩に顔を埋めている。

そんな蒼空くんが愛おしくて柔らかい髪をそっと撫でると、黙って撫でられている蒼空くんにさらに愛おしさが湧いてくる。

いつもこうならないと蒼空くんの本音を聞けない。

すごく不器用で、人よりも素直になるのに凄く時間が掛かってしまう。


「嬉しいとごめんって気持ちでいっぱい…。

昨日薫くんと話していたのは蒼空くんの事でね、私が薫くんに蒼空くんと一度きちんと話してほしいってお願いしてたんだ。
蒼空くんも、このままでいいなんて思ってない、でしょ?」


そう話す私に「何で日和がそんな事気にするの」と問い掛けてきていた。


「薫くんと蒼空くんに仲良く居てほしいから。

…薫くんも蒼空くんのこと大事なんだよ。私の事で2人に仲悪くなってほしくないし。」

「…お人好し。」


そう言って、少し照れ臭そうに顔を逸らした。

そんな態度から本当は蒼空くんも薫くんと仲良くしていたかったのだろうと思う。

友情を保つまでも不器用な蒼空くんだ。
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